in vitro試験

遺伝子発現

培養細胞に被験物質を暴露して培養を行い、遺伝子発現に及ぼす影響を評価する試験です。
抗老化/若返り関連遺伝子はサーチュイン遺伝子(SIRT)、肌機能関連遺伝子は、保湿に関わるヒアルロン酸合成酵素やバリア機能に
関わるセラミド合成酵素など、下記に記した遺伝子が代表的なものです。下記以外の遺伝子に関してもご要望に応じて対応致します。

Candidate gene

候補遺伝子

SIRT1
酵母Sir2として発見された遺伝子のほ乳類ホモログ。発現増加で寿命の伸長が酵母はもとよりマウス等で確認されている。
SIRT6
vitroにおいて若い細胞でもSIRT6遺伝子の発現量を強制的に抑制すると細胞老化が観察されることがわかっており、SIRT6は老化に重要な役割をになっている。
SIRT7
SIRT7が十分に働かない状況では、骨芽細胞が骨を作ることが損なわれ、骨形成低下に伴う骨粗しょう症が引き起こされると考えられる。
HAS2
ヒト真皮線維芽細胞においてヒアルロン酸合成を調節する合成酵素遺伝子は、主にHAS2である。
HAS3
ヒト表皮細胞では、HAS3が重要な役割を担っていると考えられている。
アクアポリン3
(AQP3)
皮膚の上層(表皮)には血管が存在しない代わりに、水の通り道であるアクアポリンチャンネルを介して水がめぐることで水分が調節され、栄養が運ばれている。表皮にはアクアポリン3(AQP3)が発現しており、皮膚の水分保持や弾力性、そしてバリア機能にとって重要な役割を果たしている。
Fillaggrin
フィラグリンは皮膚の最外層である角層の細胞を構成する主要なタンパク質で、角層細胞の中のケラチン線維を凝集させ、角層のバリアを強固にする機能を持っている。
Elastin
弾性繊維を形成し、コラーゲンの繊維を支える役割を持つ。ヒトのエラスチン含有量は、項靱帯で約78~80%、動脈で約50%、肺で約20%、真皮で約2~5%を占める。
TypeI
collagen
体内に最も大量に存在するコラーゲン。骨や皮膚を形成し、弾力性を持たせる働きがある。
Type III
collagen
臓器に主に含まれているコラーゲン。細い線維で、組織に柔軟性を与える。
Type IV
collagen
皮膚の表皮と真皮をつなぎとめる役割を持った、基底膜に存在するコラーゲン。
セラミド合成
律速酵素
(SPTLC1)
皮膚のバリア機能を司るセラミドの合成に関わる律速酵素。セリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPT)のサブユニットである。
コラーゲン/ヒアルロン酸産生能
遺伝子発現の促進が確認された場合、その遺伝子の産物である蛋白質の発現を確認することにも対応致します(市販のELISA Kitが入手可能な場合)。例えば、コラーゲンやヒアルロン酸産生能に関して、ELISAにより評価する試験です。
ヒトでの確認
遺伝子発現の促進が確認された場合、被験物質が経口摂取を前提のものであれば、数人の被験者に摂取してもらい、摂取前と摂取後の血清を採取し、血中の代謝産物が遺伝子発現に影響を及ぼすか否かを確認することを提案しております。in vitro試験とin vivo試験の橋渡し的な試験という位置づけです。

上記以外にも細胞賦活(MTT Assay)、抗糖化活性などご要望に応じて実施可能ですので、ご相談ください。